リカバリー世界初!充電不要の活動量計 MOTHER Bracelet(s00000024079001)

仕事で持続的に成果を残し続けることは重要だが、そのためには自身を計画的にリカバリーすることが欠かせない。問題はリカバリーが必要な時ほど、リカバリーを行うエネルギーが損なわれているということだ。本稿で紹介するリカバリーに関する5つの戦略が、速やかなリカバリーをサポートする。
バーンアウトを感じた時に有効な対策とは
 労働者は疲れている。持続的に成果を上げるためには、職場で成長する必要があるが、自分の成長を実感していると語る従業員は世界で32%しかいない。43%が日常的に高いレベルのストレスを感じると回答しており、多くが燃え尽き症候群バーンアウト)になりかけていると感じるのは当然である。米国のプロフェッショナルの61%が、いまにも燃え尽きそうだと感じているという報告もある。仕事中に緊張やストレスを感じる人は、そうでない人たちよりも、転職先を探す可能性が3倍も高い。

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 このため、メンタルヘルスのサポートを求める従業員が増えている。事業者の側でも、従業員の希望に応えるためにオンラインでメンタルヘルスのサポートを提供したり、数日から数週間の休暇を認めたり、ミーティングゼロの日やフレックス制を整える動きが拡大している。
 だが、このような取り組みが増え、従業員の間でもウェルネスの重要性に対する理解が進んでも、リカバリー(回復)が実現しなければ意味がない。では、バーンアウトを感じた時、リカバリーするためにはどのような対策が有効なのだろうか。
ストレス・リカバリーを理解する
 リカバリーとは、仕事によるストレス症状(不安、疲労、ストレスホルモンであるコルチゾール値の上昇)を、ストレスがかかる前のレベルに戻すプロセスをいう。だが、筆者らは、リカバリーとはスキルだと考えている。なぜなら、いつ、どうすればストレスから最もうまくリカバリーできるかを知るためには「自分にとって効果的なことは何かという知識」と「実際に取り組むこと」の両方が必要だからだ。
 極度のプレッシャーがかかる状況で優れた成績を挙げなければいけない分野や、長時間にわたり猛烈に集中する必要があり、ミスをすれば重大な結果(場合によっては命に関わる)がもたらされる分野では、リカバリーのスキルはよく知られている。
 たとえば、重要なミッションを担うパイロットや、それまでの努力が1回のプレーや演技にかかっているスポーツ選手がよい例だ。このような人たちは、プレッシャーがある中で優れた成績を挙げたり、それを維持したりするためには、心身のリカバリーが決定的に重要であることを早い段階で学ぶ。パイロットの場合、安全基準を満たすために、任務中や任務と任務の間に一定の時間をリカバリーに充てることが義務付けられているほどだ。
 重要なことは、こうした分野におけるリカバリーは、疲れきったり、バーンアウトを感じたりした時だけの取り組みではないということだ。リカバリーは、トレーニングやパフォーマンス戦略に欠かせない要素でもある。ストレスにさらされたり、何かを実行したり、集中した時間の後にきちんとリカバリーを果たすことは、感情、気分、エネルギー、学習の統合と成長、そして究極的にはパフォーマンス、心身の健康、そして人間関係にとって重要なことである。
リカバリーのパラドックス
 リカバリーのプロセスには、一つのパラドックスがある。研究によると、人間は心身がリカバリーとリセットを最も必要とする時(つまり最も消耗している時)、対策を講じる可能性と能力が最も低い。
 たとえば、気が遠くなるほど仕事が大変な時は、長時間労働と休憩不足の悪循環に陥りやすい。このようにストレスフルな時は、適切な栄養と水分補給によりエネルギーレベルを回復する必要があるのに、食事も不健康になりやすい。さらに消耗すると、リラックスしたり、運動をしたりするエネルギーやモチベーションまで低下して、リカバリーが不十分となり、翌日さらに疲れることになる。その繰り返しだ。
 睡眠時間を削って働くことを称える組織文化や、常に緊急事態のような状態で働かなくてはいけない組織文化は、この状況を悪化させる。そこには、体が回復したがっているのに、何とかして押し通せるはずである、という思い込みがある。
 このパラドックスを克服するためには、自分にとって何が一番リカバリー効果があるかを学び、自分なりのリカバリー計画を練る必要がある。ここで重要なのは、実際にストレス・リカバリーに効くことは、意外なものであることが少なくないということだ。そこで業界ごとの状況や調査に基づき、リカバリーを助ける5つの方法を紹介しよう。

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 (1)心理的に自分と仕事を切り離す
「くだらないと思うかもしれないが、長時間にわたり猛烈な集中力を要する手術を終えた後は、帰宅前にリラックスするために、ビデオゲームをして気持ちを切り替えることにしている」と、ストレスマネジメントに関する研修に参加したある整形外科医は語った。
 読書やジョギング、ビデオゲーム、料理など、リカバリー活動はどのようなものでもよい。重要なのは、それによって仕事に対する思考(あるいは目の前のストレス要因)のスイッチを切ること、すなわちみずからと仕事を切り離すデタッチメントをすることだ。仕事のストレスは1日を通じて蓄積されるため、夜になっても頭の中で仕事のことを反芻してしまう。ジムで運動をしていても、頭の中ではクライアントとのミーティングがリプレイされているのだ。研究によると、仕事のことを考えるだけでも、仕事のストレスからのリカバリーは遅れる。視界にスマートフォンがあるだけでも、気が散って「会社」から自分を切り離せる。
 リカバリーは、精神がストレスにさらされる前の状態に戻った時、初めて達成されるため、仕事の思考から認知的に抜け出すことによって、そのプロセスを促進する必要がある。デタッチメントは優れたリカバリーをもたらし、パフォーマンスやエンゲージメントといった仕事上の成果も向上する。仕事に多くの時間を費やすほど、よりよい成果が得られるという考え方とは真逆だ。
 この原理をうまく利用するには、短時間でもよいので毎日決まった時間、仕事とは無関係の活動に没頭することだ。始めは数分しかできなくても、リカバリーの効果を得ることができる。マインドフルネスを補助的に実践するのも効果的だ。それを続けるうちに、いまこの瞬間に集中するよう、脳を訓練できる。すると仕事とは無関係の行動に没頭することが習慣になる。それと同時に、デタッチメントを妨げる要因を知るとよい。スマートフォンが目に入ると、勤務時間外や休憩時間中でも仕事のメールをチェックしてしまうなら、電源を切るか、一時的に通知機能を停止しよう。